更新日:2017年10月27日

Japan Vision Vol.83|未来に残したい風景 山形県南陽市
熊野神社 秋参宮・秋祭

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山形県南陽市宮内に鎮座し1200年以上の歴史と伝統を誇る、東北の伊勢・熊野大社の「秋参宮・秋祭」をご紹介します。
熊野大社は、大同元(806)年、平城天皇(へいぜいてんのう)の勅命によって再建されたと伝えられています。その拝殿は、代表的な神社建設を茅葺(かやぶき)屋根で建築されたものであり、この形式は山形県内だけにみられます。熊野大社拝殿はその最も古いものです。
日本全国に熊野と名のつく神社は数多く存在していますが、熊野大社は信仰の中心となる日本三熊野(※熊野信仰に関連した、有力な熊野神社の総称で、「熊野三山(三社)」「熊野神社(南陽市)」「熊野神社(安中市)・熊野皇大神社(一社)」の三括り計5社を指します)の一つに数えられます。

時の天皇は天下泰平を、時の名将達は戦の必勝を祈願し、農業も商いも営んできた地元では五穀豊穣や産業発展の祈願など、古くからさまざまな祭典が伝えられてきました。現在では人々の日々の暮らしと深い関係のあるものが残った形となり、10月中旬~11月上旬に執り行われる「秋参宮」では、伊勢神宮と宮内熊野大社のみに伝わる太々神楽(だいだいかぐら)が奉納されます。そしてもう一つの秋の祭典「秋祭」は、「新嘗祭(にいなめさい)」として執り行われ、その年の農作物の収穫を神様に奉告し、5月に行われた春祭での祈年祭に対して秋の稔りを感謝する祭典です。神事のあとは東日本で家庭内祭祀の意味合いが強いとされる、えびす講のお札を受けることができ、引き続き執り行われる「取子祭」では、大切な子どもが生まれた際に、その身柄を神様に預け、神の思愛守護により無病息災にお守りいただくよう神様に祈願します。
この他にも年間を通して季節に合わせた祭典が開催され、地元の方や多くの観光客で賑わいます。 人々の暮らしと調和し、時代を超えて受け継がれてきた「熊野大社」の神事は、まさに未来に残したい大切な伝統行事ですね。 山形県にお越しの方は、この機会にぜひお立寄りになってはいかがでしょうか。

■東北の伊勢 熊野大社公式サイト
http://kumano-taisha.or.jp/


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花笠まつり(はながさまつり)は、スゲ笠に赤い花飾りをつけた花笠を手にし、「花笠音頭」にあわせて街を踊り練りあるく日本の祭です。山形県内など数か所で開催され、例年8月に山形市で行なわれる「山形花笠まつり」が広く知られています。戦前から行われている東北三大祭りに戦後から始まり広まった「山形花笠まつり」と「盛岡さんさ踊り」を加えた5つの祭りが東北五大祭りと呼ばれる事もあります。

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