Japan Vision Vol.140|未来に残したい行事 山形県
最上川がもたらした華やかな文化 山形の雛まつり

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雛人形を飾って女の子の成長を祈る「雛まつり」。日本に数ある行事のなかでも、“女性が主役”の年中行事として代表的な存在です。 古くから伝わる行事にも思えますが、全国的に広まったのは江戸時代と言われています。なかでも山形県は雛まつり文化が盛んなことで知られますが、それは江戸時代当時、物資を運ぶ“道”だった最上川周辺に、京や江戸の文化が伝わったことがきっかけでした。今回は、華やかで美しい山形の雛まつりをご紹介します。

★最大6000体!壮観な雛まつり
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山地が多い山形県は、県内でも地形や気候が地域によってさまざまで、村山地方、最上地方、置賜地方、庄内地方の4つのエリアに分けられます。最上川はその全ての地方を流れ、各地に雛まつり文化を浸透させ、伝統あるものから新しいものまで、ユニークなお祭りを生みだしました。スケールの大きな雛まつりとして有名なのが、村山市の「段々ロングな雛まつり」です。市内の複合施設「甑葉プラザ」が会場となり、大きなホールをぐるっと囲むように設置された雛壇の長さはなんと50メートル!そこに約6,000体の雛人形が展示されます。 全国から集まった雛人形が、7段50メートルの雛壇にずらりと並べられた光景が広がり、古い時代のものから新しいものまで、さまざまな衣装・表情の雛人形が楽しめます。今年の開催期間は3月20日(水)から3月24日(日)まで。入場無料で満喫できるのも嬉しいですね。
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★時代で異なる雛人形の表情・衣装
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江戸時代に広まった雛人形ですが、作られた時期によって表情・衣装などに違いがあることはご存知でしょうか。やや大型で、顔は面長、装束が豪華な印象の「享保雛」、実際の公家の装束を忠実に写した「有職(ゆうそく)雛」、精巧な造形で装束と顔立ちが美しく、現代の雛に受け継がれている「古今雛」など、意識してみればはっきりわかるほど特徴が異なります。雛人形を見る時はそれぞれの違いに注目してみると、より一層楽しめそうですね。
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★バリエーション豊富な飾り「傘福」
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山形県の日本海側、庄内地方の酒田市には、「傘福(かさふく)」というつるし飾りが伝えられてきました。傘福は、11月末にご紹介しました九州柳川の「さげもん」、伊豆稲取の「つるし飾り」と合わせて日本三大つるし飾りに数えられ、布地を縫い合わせて細工を作り、傘の先に幕を巡らした天蓋の内側に紐でつるしたものです。子どもの成長や健康、家族の安全などの願いを細工物に込め、神社仏閣に奉納していました。
神社などで見られる飾りとして根付いていた傘福ですが、2005年(平成17年)からは酒田商工会議所女性会が、大きな規模で傘福の展示を行うようになりました。かつて酒田の料亭文化を代表した料亭で国の登録有形文化財になっている「山王くらぶ」の2階110畳の大広間に、いくつもの傘福をつるすというものです。なかでも、赤色と緑色の天蓋がついた直径2メートルの大きな傘にそれぞれ999個の飾りをつるした「赤と緑の野点の傘福」が目を引きます。 子孫繁栄を表す「ねずみ」、魔除けの「さるっこ」、子どもの健やかな成長を願う「おくるみ人形」などバリエーション豊富なかわいらしい飾りがあるので、願いが込められた細工物を一つ一つ見ていると時間を忘れてしまいそうです。
伝統文化として県全体に伝わる、華やかな雛人形やつるし雛。山形を訪れた際には、県内各地で見られる雛人形を巡ってみてはいかがでしょうか。

■参考サイト:やまがたへの旅「やまがたの雛」
http://yamagatakanko.com/log/?l=272243


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花笠まつり(はながさまつり)は、スゲ笠に赤い花飾りをつけた花笠を手にし、「花笠音頭」にあわせて街を踊り練りあるく日本の祭です。山形県内など数か所で開催され、例年8月に山形市で行なわれる「山形花笠まつり」が広く知られています。戦前から行われている東北三大祭りに戦後から始まり広まった「山形花笠まつり」と「盛岡さんさ踊り」を加えた5つの祭りが東北五大祭りと呼ばれる事もあります。

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