更新日:2018年01月12日
Japan Vision Vol.91|未来に残したい行事
新潟県十日町市
越後の奇祭 むこ投げ祭り
Japan Vision Vol.91│未来に残したい行事
新潟県十日町市
越後の奇祭 むこ投げ祭り
新潟県十日町市松之山で毎年1月15日に行われる、「越後の奇祭”むこ投げ祭り“」をご紹介します。 このお祭りは300年ほど前から伝わる小正月の行事で、前年に結婚した”お婿さん“を、村の若者たちが松之山温泉街の奥にある薬師堂まで担いで連れて行き、5メートル以上の高さがある崖の上から”豪快に投げ飛ばす“という行事です。
もともとこのお祭りは、他村の者に村の娘をとられた青年たちの“腹いせ”が形を変えたものだそうですが、お嫁さんを追い出すなどの粗末な扱いを禁じた風習ともいわれています。少し荒っぽいお祭りではあるものの、崖下に落とされたお婿さんは雪がクッションとなるため怪我をすることもなく、崖下にいる見物客の笑い声や温かいひやかしの掛け声も起こり、終始和やかなムードです。また、雪から這い出す夫を妻が助けることで夫婦の絆がより深くなるようにと、結婚の祝福を願う意味も込められています。
さらに「むこ投げ祭り」が終わったあとに行われる「墨塗り」も見ものです。「塞の神(さいのかみ)」に、お正月飾りを燃やしてできた灰と雪を、手のひらで混ぜ合わせて墨をつくり、その場にいる人全員で「おめでとう!」と言いながら、お互いの顔に墨を塗り合います。この「墨塗り」は、松之山温泉の湯本で600年ほど前から行なわれている小正月行事で、無病息災・家業繁栄の願いが込められているのだそうです。
お話を聞いているだけでも、心が温まるようなまさに未来に残したい行事ですね。今年も例年通り、1月15日(月)に行なわれます。新潟県にお越しの方はぜひ、お立寄りになってはいかがでしょうか。
■十日町市観光協会公式サイト:むこ投げ・すみ塗り
http://www.tokamachishikankou.jp/events/january/mukonage_suminuri/
ページの先頭に戻る