更新日:2018年04月16日
Japan Vision Vol.105|未来に残したい行事
愛媛県四国中央市
書道パフォーマンス甲子園
毎年夏に本戦が開催される「書道パフォーマンス甲子園(全国高等学校書道パフォーマンス選手権大会)」をご紹介します。
愛媛県の東端部に位置する四国中央市は、東は香川県、南東は徳島県、南は高知県と4県が接する四国の真ん中に位置し、古くから「お札と切手以外は何でも揃う」といわれるほど、多種多様な紙製品が生産されている「紙の街」です。 「書道パフォーマンス甲子園」が始まったきっかけは、愛媛県立三島高等学校書道部の部員たちが、不況等の影響で活気を失っていた街に元気を取り戻したい!と、2001年(平成13年)ごろから、高校の文化祭や地元のイベントなどで、音楽にあわせて大きな紙に歌詞を揮毫(きごう)する「書道パフォーマンス」を始めたことでした。2007年(平成19年)にはショッピングモールで披露するようになり、それに注目した行政や地元の「四国中央紙まつり実行委員会(※)」が、同イベントで披露することを三島高校の書道部に依頼し、2008年(平成20年)の夏に「四国中央紙まつり」で、「第1回 書道パフォーマンス甲子園」が開催されました。
第1回大会の参加校はわずか3校でしたが、回を重ねるごとにイベントの様子がテレビでも放映され、人気に火が付きました。そして2010年(平成22年)の5月には「書道パフォーマンス甲子園」がモデルとなった映画『書道ガールズ!!-わたしたちの甲子園-』が製作・公開され、さらにその人気と知名度が上がりました。参加校の増加により、第7回大会からは予選に「地方ブロック制度」を導入し、全国大会としての地位を確立します。そして昨年に開催された第10回の記念大会では、37都道府県から実に105校もの応募が集まる規模に成長したのです。
大勢の観客で埋め尽くされた本戦会場では、「お願いします!」の掛け声とともに、1チーム12名までの選手たちがそれぞれの衣装とBGMに乗せたパフォーマンスを披露します。縦4メートル×横6メートルもの大きさの紙に、6分間の制限時間内で豪快に書き上げられた作品が掲げられると、会場からはどよめきと共に大歓声と拍手が沸き起こり、高校生達の一生懸命な姿に感動して涙する人もいるほどです。結果発表では、高校生たちの溢れる笑顔と悔し涙が交錯しますが、最後は「ありがとうございました!」のお礼、大きな拍手とともに会場を後にします。
競技に使用される用紙、紙製品等の参加賞、優秀校に贈られる副賞に加えて、熱中症対策に配られる飲料水などは、協賛企業・団体から無償提供され、大会の準備から当日の運営は、高校生を含めたボランティアの人たちが支えます。この地域ぐるみの取り組みが評価され、第3回大会の後に「第15回ふるさとイベント大賞:優秀賞」を受賞、第7回大会の後には日本デザイン協会の「SDA賞:特別賞」を受賞しました。地元の高校生たちの活動から地域、そして日本全国をも巻き込んだ、まさに未来に残したい行事ですね。
第11回大会(平成30年大会)の応募締め切りは、5月8日(火)です。ご興味を持たれた方は、参加を検討されてはいかがでしょうか。
書道パフォーマンス甲子園実行委員会公式サイト
http://shodo-performance.jp/8.html
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愛媛県松山市は、近代文学にも影響を及ぼした正岡子規、高浜虚子などの多くの俳人を生み出した「俳都」として知られており、俳句による町おこしを行っています。街中には「俳句ポスト」が設置され、毎年高校生向けの「俳句甲子園」が開かれるなど、市内の住人に身近な存在として親しまれています。
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