Japan Vision Vol.134|未来に残したい風景
山形県尾花沢市
銀山温泉街の夜景
※写真撮影:四季写真家 山口 博之
銀山温泉の名は江戸時代初期に“大銀山”として栄えた「延沢銀山」の名称に由来しています。大正末期から昭和初期に建てられた洋風木造多層の旅館が、銀山川の両岸に軒を並べ、昔ながらの風情ある独特な景観を創り出しています。
奥州街道から12キロメートルほど入った山間部にある銀山温泉は、明治時代に入り「延沢銀山」が衰退した後に人口が激減、さらに大正2年に起きた「銀山川の大洪水」でほとんどの温泉宿が流されてしまいました。その後、温泉の湧出量が減ってしまうなど、温泉地としての人気も衰退してしまいましたが、大正10年に銀山川の水を利用した発電所が作られ、復興の足掛かりとなります。そして、昭和元年に行われた源泉のボーリングで、高温多量の温泉が沸き出てきました。 これを機に街の温泉旅館は、一斉に3~4層の木造建築に建て替えを行い、さらに橋や沿道の整備も行ったことで、再び温泉地としての人気を取り戻していったのです。
四季折々の風景が楽しめる銀山温泉のなかでも、最もロマンティックといわれるのが、銀世界に包まれた冬の夜景です。ご紹介の写真のように夕暮れ時に訪れれば、オレンジ色のガス灯の光と雪景色の幻想的なコントラストを楽しむことができ、陽が沈んだ後は、街の灯りがさらに温泉街の温かさを演出します。時間の経過とともに、違った表情を見せてくれる銀山温泉街の夜景は、まさに「未来に残したい風景」ですね。冬に山形県を訪れる際には、ぜひノスタルジックな町並みを堪能してみてはいかがでしょうか。
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花笠まつり(はながさまつり)は、スゲ笠に赤い花飾りをつけた花笠を手にし、「花笠音頭」にあわせて街を踊り練りあるく日本の祭です。山形県内など数か所で開催され、例年8月に山形市で行なわれる「山形花笠まつり」が広く知られています。戦前から行われている東北三大祭りに戦後から始まり広まった「山形花笠まつり」と「盛岡さんさ踊り」を加えた5つの祭りが東北五大祭りと呼ばれる事もあります。
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